3Dプリンター用の小型PCを用意してみる

家庭用の3DプリンターといえばGコードの入ったSDカードをプリンターに挿入したり、USB経由でPCから直接印刷するといった方法が一般的だと思います。
我が家ではUSB経由で3Dプリンターを接続し、Repetier-Hostというソフトウェアで3Dプリンター操作/印刷/Gコード作成を行っています。
この方法で問題はないのですが、PCでブログも書けばばCADも操作しRepetierも動いているため印刷の安定性(PCの意図しないフリーズやメモリ不足)という意味ではあまりよくない状況のような気がします。少なくてもCADの再計算実行中に少なくても5回は印刷停止してしまい復旧できずに最初からということはありました。途中で印刷が止まってしまうと最低でもフィラメントは無駄になり、印刷の時間も電気代も無駄になってしまいます。

今回、この無駄を少なくするために一計を案じました。
Repetier-Hostは優秀なフリーウェア(Proバージョンは有料)ですが、Repetier-Serverというソフトウェアも同梱されています。このソフトを利用すれば3Dプリントサーバーを構築することが可能になります。プリントサーバーとは一種の3Dプリント用専用PCを用意することが可能になるということです。(もちろん普段使いのPCに入れても動作しますが、わざわざ同一PC上でサーバーを立てるメリットは少ないのではないかと思います)普段使いのPCとサーバーPCを別々のPCに分ければCAD操作でフリーズしても関係ありません。なぜなら別なパソコン(みたいなもの)で3Dプリンターは動いているからです。

Repetier-ServerはLinux/Windows/Macいずれかのハードウェアで動作します。今回は廉価Linux PCとして利用可能なRaspberryPI 3を利用することにしました。
RaspberryPIは一般的にワンボードマイコンに分類されるら商品ですが、5千前後で購入可能であり公式HPに掲載されている専用OSをインストールすればLinuxPCとしても動作します。USB/HDMI/イーサーネットポート/WIFIが標準搭載されています。OSをインストールするには8GBの容量のMicroSDが別途必要です。
また、インターネット上に3Dプリントサーバーとしての運用やOSのインストール方法などの各種情報も豊富にあるため非常に便利なマイコンボードといえると思います。

USBポートは4ポートあり、HDIMIポートもありますので3Dプリンター・マウス・キーボードをつなげばスタンドアロン3Dプリンターとしても運用できます。また、家庭内LANなどを組んでネットワーク上から操作すればモニターやキーボード・マウスをRaspberryPI用に用意する必要もありません。ただしネット経由操作の場合、OSの設定・操作にはSSHクライアントというソフトウェアが必要になります。Repetier-Serverのインストール・初期設定さえ完了すれば3Dプリンターの操作・印刷はPC上のブラウザから可能になります。
※RaspberryPIのOSインストールから3Dプリント完了までの流れは膨大になりますのでご要望が多ければ記事にしたいと思います。

我が家では、ネットワークから操作する前提で、RaspberryPI用のマウス・キーボードは用意せずブラウザで操作する方針でOSインストール・Repetier-Serverインストール+設定をこなし、無事に3Dプリンターサーバーを作ることができました。これで、少しは安定性が向上すればと願うばかりです。
1点、注意としてRaspberryPIはHDDの代わりにSDカードが記憶媒体となります。そのため記憶容量が格段に少なく、印刷が終わったGコードファイルはこまめに消さないとSDカードがすぐに一杯になります。Linuxとしてのログファイルも同様にメンテナンスしないと容量が足りなくなります。

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