Slic3r設定詳細【Layers and perimeters】

スライスソフトウェア「Slic3r」の設定項目について第2回目です。
今回は、Print Setting内にある「Layers and perimeters」部について調べました。
この項目では積層ピッチや外壁の厚さ上下の厚み等、印刷品質に関係するパラメーターを変更することができるようです。
以下に其々の設定項目がどのように影響するかを簡単に記します。

Print Setting

Layer Height —- 積み上げていくレイヤー(水平方向に同じ高さの層)の設定

・Layer Height : 積層ピッチの高さをmmで指定
0.3と指定すれば0.3mmずつフィラメントを積み上げていきます。
値を大きくするほど造形時間は減少しますが、一般的に言われる積層痕が目立つようになります。

・First Layer Height — 1層目の積層ピッチの高さをmm もしくは%で指定
Layer Heightを0.3 First Layer Heightを0.2と指定した場合、1層目のみ0.2mm 2層目以降は0.3mmの積層ピッチで造形します。
1層目はプリントベッドとフィラメントが直接触れるため、積層ピッチが十分でないとベッドにフィラメントがうまく食いつかないことがあるためこの設定があるようです。

・Use adaptive Slicing —  Adaptive Slicing(適応スライシング)を有効にする。
通常、フィラメントは Layer Heightで指定された値ずつ積み上げられていきます。しかし丸みのある角部分では、この設定だけでは積層痕が目立つことがあります。この現象を解消するために丸みのある角部分では積層ピッチを小さくして積層痕を目立たないように造形し丸みを帯びた部分が終わり次第Layer Heightに設定されたピッチで造形するようにして改善を行うというものです。このアルゴリズムについてはこちらのページ(英語)に詳しく説明されています。

Vertical shells — 外壁設定

Perimetersの設定

・Perimeters — 外壁の厚さを設定します。
実際の外壁の厚さはDiameter × Perimeter です。

・Spiral vase — らせん構造を有効にします。
適用した場合
1. Perimeters が 1
2. 表面のソリッドレイヤーなし
3. Infill は 0%(空洞)
4. サポートマテリアルなし
以上の条件でスライスされることになります。

※2018/06/23 追記
文字だけではらせん構造での造形が伝わりにくいと感じましたので、実際にSpriralVaseを有効にしたスライス結果を動画撮影しました。

Horizontal Shells — 水平方向設定

・Solid layers — 上面/下面の厚みを設定します。
Solid layersおよびPerimeters以外の部位についてはInfill設定にしたがって間引きをして造形することになります。

Quality — 品質設定

・Extra perimeters if needed — 外壁の自動追加
有効にした場合、造形がベッドに対して水平に近い場合外壁に厚みを自動的に1層追加します。(スライスソフトで自動的に計算し水平に近いと判断した場合その部分はPerimeters+1の厚みになるということ)

・Avoid crossing perimeters — ノズルの軌道設定
有効にした場合、ノズル移動時にノズルが造形物に接触しないように軌道を作成します。ヒゲの抑制に有効な場合がありますが有効にすると移動量が増えるため造形時間が増加します。
ヒゲの抑制が目的であれば設定は少し複雑ですがRetractionという設定項目を調整したほうが効果があることが多いようです。

・Start perimeters at Concave points — 造形開始位置の設定
有効にした場合、凹んでいる部分から造形を開始します。角部分のつなぎ目が気になる場合有効にすると改善されることがあるようです。

・Start perimeters at Non-overhang points — 造形開始位置の設定
有効にした場合、造形物上を開始位置に設定します。

・Detect thin walls  — 薄壁を検出する
・Detect bridging perimeters — ブリッジを検出する
過去のSlic3rのソフトウェアにおいて造形物に特定の特徴があるとスライス時に検出しない問題があったそうです。
この問題を解決するためのパラメータとなり、基本的には有効にしたままで問題ないようです。

Advanced — その他設定

・Seam position — 各層の造形開始位置の指定
造形物に開始位置が起因する意図しない特徴(凹みなど)が出る場合、設定すると改善する場合があるそうです。
以下の4つから指定できます
1. Random — 各層後と異なる位置をランダムに選択。
2.Nearerst — 凹状のオーバーハング頂点を選択、存在しなければ凸状のオーバーハング頂点を選択。
3.Aligned — Nearestと同じアルゴリズムとなるが、頂点が複数ある場合前の層の開始位置に最も近い位置を選択。よってつなぎ目が整列することになる。
4.Rear — 現状不明です。Slic3r.orgの英語マニュアルも読んでいますが、マニュアルに記載がある説明もversion0.9.9 当時のもののようで該当する項目がありません。わかり次第追記します。

・External perimeters first — 造形開始位置の設定
有効にした場合、外壁の外側から内側に造形し、無効では内側から外側に向けて造形します。どうやら外側に向けてひげが出ることが問題になるときに、ヒゲを内側に向けて閉じ込めるために有効にするようです。

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