Slic3r設定詳細【Support material】

Slic3rの設定項目を詳しく見ていく本シリーズ。今回はPrint Settings内にある「Support material」について調べました。

Support material

・Generate support material — サポートマテリアルを生成する

造形物に部分的に下層がなく中空に浮いている部分などがある場合、最下層から積み上げながら出力する積層型3Dプリンターではその部分にフィラメントを出力できません。回避するためにはサポートマテリアル(支持材)を作成するひつようがあります。

 

・Overhang threshold — サポートマテリアルを必要と判断する角度

サポートマテリアルの生成を開始する角度を入力します。

 

・Max layer count for supports — サポートマテリアル生成上限レイヤー

0を超える数値を入力すると、入力したレイヤー以上の位置においてサポートマテリアル生成は行われなくなります。

 

・Enforce support for the first — サポートマテリアル強制生成

設定画面にて表示される説明を見る限り、本項目に0を超える値を入力した場合、入力したレイヤー数だけ強制的にサポートマテリアルを生成するということのようです。フットプリントが小さい場合などでプレートと造形物の密着を強化する場合などにもちいるとの説明になっていました。ですが、生成には特徴があるようです。

 

例としてサンプルを作成しスライス結果を確認してみました。下図のサンプルは下の段からφ15/φ10/φ5を10㎜づつ積み上げた形状になっています。

まず、Generate support material チェックなし、Enforce support for the first を150に設定しスライスしてみました。少量だけ、サポートマテリアル(薄緑色の部分)が生成されています。

サンプル1


次にサンプルを上下逆さまにし、中空にオブジェクトがある状態でスライスしてみました(Example 1)。サポート材は中空部を造形するのに十分な形に作られているように見えます。これだけなら、問題ないと思われるのですがGenerate support material チェックあり、Enforce support for the first を0にしても同じ結果が得らるように見えます。(Example 2)

Example 1

Example 2

 

次にφ5mm/φ10㎜/φ15㎜、高さ10㎜の形状のものを別々な造形物として作成。Generate support material チェックなし、Enforce support for the first 150にしスライスしてみました。ある一定の設置面積を超えるとサポートマテリアルは生成されないように見えます。


細かく調べてみるために5mm~15mm、高さ10㎜の形状のものを並べてスライスしてみました。サポートマテリアルは生成されたりされなかったりとまばらになりました。同条件で何度かスライスしてみましたが結果は変わりませんでした。

 

本項目は調査を続けて、進展があり次第更新したいと思います。

Slic3r設定詳細【Skirt and brim】

更新間隔が年単位で空いてしまいました。ご迷惑をおかけしました。 更新再開初回投稿は、Print Settings内にある「Skrit and brim」について調べました。

SkritとBrim

Skirt

Skirtとは造形物本体を、出力する前に予備段階として出力されるものです。なぜ予備出力するのかと言いますと、ノズル昇温中などに液状化したフィラメントがノズルから垂れてしまい、結果ノズル内が一時的に空になることで本体出力開始すぐにフィラメントが出てこないことがあるためです。
・Loops(minimum) — skirt周回数指定
スカート周回数の指定スカートは本体の外周を加工用に出力されますがそれを何回繰り返すかを指定します。
・Distance from object — skirt出力位置指定
周回位置の指定スカートを本体の外周何mmの位置に出力するかを指定します。
・Skirt height — skirt積層数指定
スカートのX-Z方向の周回数はLoopsで指定しますが、Y方向(積み重ね)のレイヤー数はSkirt heightにして指定します。
・Minimum extrusion length — skirt最低出力長
スカート出力長の最小値本体が十分な大きさを持っている場合はSkirtはその外周に出力される特性上、必然的にノズル内部を充てんするに足りる出力を行えることが想定されます。ですが、本体が小さい場合Skirtの出力が短くなってしまいノズル内部を充てんしきれない状況も想定されます。その場合を防ぐため設定した数値分はスカートを吐出します。

Brim

Brimとは最初のLayerのみ本体の周りに本体と繋がるように出力される部分です。本体形状などでベッドとの接触面積が小さい場合、造形中にベットから造形物がはがれることを防止する目的があるようです。
・Exterior brim width — 外側方向のBrimの幅
・Interior brim width — 造形物内の穴の内側のBrimの幅

Slic3r の設定項目

Slic3r 初期画面

Slic3rは3Dプリンター用のスライスソフトウェアです。スライスソフトウェアとは3Dオブジェクトを入力して解析、実際に3Dプリンターを動作させるためのコード(G-Codeといいます)を出力するためのソフトウェア。3Dプリンターを動かすにはこのG-Codeが必要となるので必須ソフトウェアともいえます。
今回は、Slic3rを利用する上で必要となる設定についていろいろ調べてみました。利用したSlic3rはバージョン1.3.1-dev版です。

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